子供の情景

2002年2月7日
先日、パパと二人で私が子供の頃に住んでいた
とある町へ行く機会があった。
私としては実に30年ぶりである。
杉並区と世田谷区の境にあるそこは、
自分の中でも妙に記憶が鮮明に残っている所で
ほんの5、6年しか住んでないのに
今でも生々しく記憶がよみがえる。

えっ、こんなに道が狭かったっけ?
ここの車止めこんなに低い!
子供の私と同じ身長だったのに…とか
懐かしさで感慨もひとしおだった。

よく駄菓子を買いに行ったお店は
銀行のATMになっていた。
事故にあった時に通っていた
歯医者さんは看板が外されてた。
家族でよく食べに行った踏み切り脇の
うどん屋さんは数年前に閉店してた。

よくウインドウを覗いてはお針子のお姉さんに
かまって貰っていた洋裁店。
人体模型が怖くて前を通るのが嫌だった
駅前市場の中の漢方薬局。
母とよく行った鯛焼き屋さん。
家族で毎日通った銭湯。
まだ変わらずそこにあった。

住んでいた家は15年前に取り壊され
変わりにマンションが立っていた。
近所だった同級生や知人の家も
すっかり違う建物に変わってもう無かった。

今でも時々夢に見たりする
自分にとっての心の故郷だったこの町が
すでに知らない町へと変わっていく。
考えたら自分もそれだけ変わったんだなーと思う。
この町がもう記憶の中にしか残らなくなるのは
とても寂しい気がした。

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

日記内を検索